泥炭調査に同行


先日、研究目的で行われたの泥炭調査に同行しました。
今回は、サロベツ湿原の円山地区を東西に横断する行程でした。ササが繁茂した場所を抜け、ミズゴケ群落を通過し、再びササ植生になりました。





そこで行われた作業が、これです。
手動ボーリング!
長い長い棒を地中に差し込み、地中から泥炭標本を採取していきます。
私が調査に参加した日の最大採掘深度は、6m50cm。
その際の作業風景が写真のものです。6m以上掘るのですから、道具の総延長も6m以上。
はっきり言って壮観です。




この作業で採取されるのが、泥炭標本。
それが、これです。
調査参加者の誰かが「おいしそう〜」と言ってましたが、お菓子のように表面が艶やかな円筒状の物体(湿原の土?)が採取されました。この写真の採掘地点は堆積物の分解がずいぶんと進行した場所でしたが、ほかの採掘地点ではツルコケモモやヤマドリゼンマイが未分解で堆積した地層も見ることができました。


採掘場所によっては木片も出てきて、「昔、この採掘場所の周辺は湿原ではなく、小高い丘で木が生えていたんだね」という話もありました。湿原は一般的に1年に1mm程度堆積すると言われています。どの採掘深度からどのような植物が発見されるのかがわかれば、500年前・1000年前・5000年前など、ずっと過去のサロベツの風景も再現できるかもしれませんね。
泥炭を掘って過去の植生を知る、貴重な体験をさせていただきました。[は。]